止まらない物価上昇と、その物価上昇に比例しない日本社会の賃金、こういった論調がよく聞かれる今日この頃。以前から話題を呼んでいた”FIRE”への関心と相まって、若者の間で投資への意欲が高まっているというニュースを目にしました。皆様はいかがでしょうか。投資は勉強が必要、と始める前に躊躇することも多いですよね。初心者でも始めやすく、手間がかからないと人気のある”投資信託”。資産運用のプロフェッショナルがあらゆるデータを分析し、厳選した上で、株式や再建に投資、運用する金融商品です。そして本日のテーマ「不動産REIT(リート)」とは、まさに不動産の投資信託のことを指します。
不動産を中心に運用する金融商品で、日本では2001年9月に市場が開設されました。多くは金融商品取引所に上場している為、通常の株式と同じく金融商品取引所でいつでも売買が可能です。REITの仕組みは① 投資家から集めた資金で不動産投資の専門家がオフィスやマンション等の不動産を購入 ②購入した不動産を賃貸 ③その賃料収入や売却益から費用を差し引いた残りの収益を投資家に分配 という流れになります。(以下のイメージ図をご参考ください)REITが保有する不動産の種類は、オフィスビル、ホテル、マンション、商業施設、倉庫など多岐に渡り、投資家はREITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができるという特徴があります。
❶資産運用&不動産専門家の知識を活用した分散投資
>>投資信託の最大の魅力は、プロフェッショナルに運用を任せることができるところ。また、REITファンド等を通じて世界各国のREITに投資をする場合、特定の国の景気変動や自然災害の影響を大きく受けるリスクを分散・低減することが可能です。
❷少額からの投資が可能
>>REITは証券化された金融商品のため、比較的少額(10万円程度)から資産運用できる金融商品といえます。オフィスビルや商業施設、物流施設など、個人が購入するのは難しいとされる物件にも少額から投資可能です。
❸流動性が高く換金が容易
>>現物不動産を売却するには買い手を見つける必要があり、売却が成立するまでに時間がかかります。物件によってはなかなか買い手が見つからず、希望条件で売却できないこともあります。しかし、リートなら取引所ですぐに売却し、数日で現金化できます。投資の途中でまとまったお金が必要になっても、REITを売却して資金を準備できるので安心です。
❹比較的安定した配当
>>プロが厳選した不動産から得られる賃料等収入が主な収益源となっている為、この大半を配当として出す仕組みから好配当利回りが期待できると考えます。預貯金や他の金融商品に比べて高い利回りが期待できるのも魅力です。
①実物不動産を所有できない&節税メリットが少ない
>>REITは不動産投資の一種ではあるものの、数千万円といった多額の資金を投じても、実物不動産を保有できません。その上、分配金や売却益に対して他の金融商品と同様に約20%の税がかかります。複利効果がなく、分配金を得る度に課税されてしまいます。
②投資法人が倒産・上場廃止した場合に価値が著しく損なわれる
>>投資法人の資金調達が上手くいかず、キャッシュフローが悪化するケースなどがリスクとして想定されます。投資法人が保有する不動産の価値はゼロにならないため、不動産を売却して清算することで、いくらかのお金戻って来る場合もありますが、大きな損失を被る可能性があります。リートの個別銘柄を購入する場合には、不動産投資法人や投資対象の状況を定期的に確認することが重要です。
③投資のための融資を受けられない
>>REITに投資を行う際は、金融機関の融資は受けられません。自己資金を上回る金額の投資が行えないため、大きな利益を得ることは難しいでしょう。多額の投資を行って効率的に資産形成が行いたい場合には、金融機関から融資が受けられる通常の不動産投資の方が効率的です。
④レバレッジを効かせた投資がしにくい
>>REITや株式投資は保証金などを入れることで信用取引ができますが、手持ち資金の約3倍までと、大きくレバレッジを効かせた取引はできません。(FXは最大で25倍までレバレッジを効かせた取引が可能)相場の変動によって証拠金維持率が下がると、ロスカットと呼ばれる強制的な決済が行われたり、追加証拠金の入金が必要になったりするなどハイリスクハイリターンな投資になることがあります。
さて、これまで3回に分けて少額での投資が可能な不動産投資について、それぞれの特徴をメリット・デメリットと共にご紹介してきました。こうして近年は不動産投資が身近に感じられるようになりましたが、やはりリスクが伴った金融商品であることには違いありません。しかし私たちが考える”少額から始められる投資”の大きなメリットは「損失を抑えながら将来のために学びと経験を積むことができる」ことだと思います。最終的には、適時に投資商品を買う、売るというシンプルな判断なので、その精度を高めるためにまずその商品を深く理解することが大切です。若い世代に不動産に興味を持っていただけるよう、今後も不動産投資を様々な角度がら切り取り、噛み砕いていきます。私たちと共に不動産投資に詳しくなっていきましょう!
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