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市場急拡大!注目の不動産クラウドファンディング

本日のコラムは、前回のテーマ”不動産小口化投資“と同様に、不動産への少額投資が可能な不動産クラウドファンディングについてです。資産運用においては株式、債券、不動産の3分野へ分散投資することが基本(財産3分法)と言われますが、現物不動産投資はまとまった資金が必要になる上、物件の管理が大変であることからハードルが高い投資と捉えられてきました。実際には安定した収益を狙える投資手法であり、家賃収入などで資産を増やすアグレッシブな投資と、生命保険や年金の代わりとするオフェンシブな投資の両側面で運用できることから幅広い層に支持され続けています。
そんな中、2017年の法改正をきっかけに少額から始められる不動産クラウドファンディングが人気を集め、そこから2020年時点までに約7倍もの成長(募集総額ベース)で市場が急拡大しています。それでは一体、不動産クラウドファンディングとはどういったシステムなのでしょうか。

不動産クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディング業者が、インターネット経由で複数の投資家から資金を集め、それらを元手に不動産を取得、所有、運営をします。そこで対象となるとはマンションなどの賃貸物件だけではなく、ホテル等の宿泊施設も含まれ、投資家は家賃収入や収益を分配され受け取ることになります。修繕、リフォーム、入居者募集を含める物件の管理については運営会社が行い、投資家側に手間はかかりません。少額から始めれる点においては従来より存在する不動産投資信託のJ-REITと類似しますが、不動産クラウドファンディングの主な特徴として、対象の物件を自らの判断で選定できることがあります。投資したい不動産を実際に見て選定した上で投資ができるので、株式投資的な側面もあると考えられます。

どんな人に向いている?

不動産クラウドファンディングは前述にもある通り、少額で始めることができ、手間がかからないことが特徴。なお、運用期間は3ヶ月~2年程度と短く、不動産の詳しい知識がない場合でも低リスクで始めやすい投資商品となっています。すでに株式、債券、金などに投資している人にとっても不動産投資を始める入り口となり、投資先を増やすことによって分散投資効果を高めることができます。また、不動産は景気や物価と連動する傾向がある為、物価上昇対策やインフレ対策の資産を持ちたい人にも適しています。運用中の手間がかからない事から、副業で投資をしたい場合にも向いているでしょう。

不動産クラウドファンディングの始め方

投資の始め方も、株式投資をする際に証券口座を作るのと同じ要領になり至ってシンプルです。まず、不動産クラウドファンディングの運営会社で口座を作り、資金を入金、そしてその運営会社が手がけている物件の中から投資先物件を選びます。物件情報の詳細は運営会社のウェブサイトで確認でき、申し込みもオンラインで行います。自分の好きな投資スタイルに合わせ、投資先物件を選ぶことが可能です。

 

事前に把握しておくべき3つのリスク

① 主なリスクとして挙げられる一つ目のリスクは元本割れです。不動産クラウドファンディングは優先劣後方式を採用している案件もあり、比較的低リスクで投資できますが、あくまでも投資商品であり元本割れのリスクがゼロではありません。1.空室が続き家賃収入を得られない 2.不動産価値が変動することで最初の投資額よりも評価額が下回ってしまった 3.物件が想定よりも安く売却された といった場合に元本割れが発生する可能性があります。その場合は利益を得ることができず結果的に損失を被ることになります。ローリスクではありますが、「必ず利益が出る投資」ではないことを留意しましょう。
② 続いてのリスクは、流動性の低さです。多くの場合が、投資の運用期間中は原則として中途での解約はできません(中途解約できる商品もあります)。出資後は償還されるまでの間に換金をすることができなくなりますので、運用期間中に資金拘束されても問題のない資金を用意することが必要です。
③ 最後に、事業者が倒産するデフォルトリスクです。不動産クラウドファンディングは、投資家は投資した不動産の所有権を持つことができず、所有権は運営事業者がすべて持っています。事業者が倒産すれば債務不履行となり、元本割れになったり、出資金が戻らな区なる可能性があります。

 

リスクを踏まえてもなお、人気の投資手法

いかがだったでしょうか。不動産投資も間口が広がり、様々な投資商品が展開されています。不動産のクラウドファンディングで失敗しないためには、投資した物件に定期的に出向いたり、分散投資や複数の運用会社を精査する必要があります。運営事業者の運営状況や資本金、事業規模を確認することは、信頼性が高い運営会社を選ぶ目安のポイントです。さらに累計の案件数や償還実績、元本割れが過去にあったかなど運用実績もおさえておきましょう。リスク回避として、1つの会社にすべての資金を投資せず、複数の不動産クラウドファンディングに分散して投資するのも1つの方法です。次回は、不動産投資信託J-REITについてお話ししたいと思います。是非お楽しみに!

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